アートディレクターとは?仕事内容・必要スキル・キャリアパスを徹底解説

アートディレクターとはどのような職業でしょうか?

アートディレクターは、プロジェクトのビジュアルスタイルやアートディレクションを決定するポジションで、ビデオゲーム、モバイルアプリ、デジタルコンテンツ、マーケティングキャンペーンなどの企画・設計を行います。

デザインチームを統括してビジュアルアイデンティティの一貫性や高い品質水準を実現するとともに、ブランドイメージやプロダクトアイデンティティと調和したデザインを設計を作り上げていくポジションです。

ゲーム業界、エンターテイメント業界、広告業界、テック業界などで必要とされる役職です。デジタルコンテンツとフィジカル製品の両方のデザイン設計において重要な役割を担うポジションですよ。

 

アートディレクターの職務内容

  • ビジュアルアイデンティティとアートディレクションの決定

    • プロジェクト全体にわたるデザイン方針の確立と一貫性の保持

    • スタイルガイドの作成・運用による一貫したビジュアルデザインの担保

  • チームリーディング&チームマネジメント

  • メンバーへのクリエイティブな指示・フィードバックを通して、デザインクオリティや一貫性の保持に貢献

  • プロジェクト管理&実行

    • アートアセットコンセプトプロモーション対象のレビューや承認

    • デザインチームのワークフロー・納期管理

  • 業界最新トレンドのキャッチアップ

    • デザインスタイルデジタルツール業界革新などの最新動向の把握

    • 新規のVFX(視覚効果技術)AR(拡張現実)/VR(仮想現実)ツールAI駆動アートツールの試験登用や吟味

 

アートディレクターの募集要項

※リリース終了のため差し替え。(Adobe Creative Suiteは新規販売終了)

※日本語版公式サイトなし(非公式サイトのみ)

※日本語版公式サイトなし(非公式サイトのみ)

  • リーダーシップ&チームマネジメント

    • デザイン担当チームへの指導・育成スキル

    • 革新性プロダクトの制約条件を両立させる確固とした意志決定能力

  • コミュニケーション&コラボレーション

    • 連携他部署とデザイン方針や完成ビジョンを明確に共有できる伝達能力

    • 経営層や業務関係者にデザイン上の決定内容とその妥当性を報告共有するスキル

  • 適応能力&問題解決能力

    • プロジェクトの必要性や技術進化、業界トレンド変化への迅速な対応

    • 予算や納期を考慮したクリエイティブなソリューションの創出

 

言語スキル:アートディレクター業務に英語は必要ですか?

グローバル化やビジネスの流動性が加速している現代社会では、英語を中心とした言語スキルも気になりますよね。日系企業(メイン言語は日本語)と外資系企業(メイン言語は英語)では転職時に求められるスキルや使用される指標も異なります。日系企業の場合は、各求人募集要件ごとのTOEICスコア募集要件を確認してみてください。一方で、外資系企業の場合は、TOEICや英検といった検定スコアや資格は求められません。実務的な能力が重視されます。報連相や職場でのコミュニケーション、ミーティング参加が英語でも行えるかが問われます。弊社が皆様の日本語・英語の両言語での面接準備をサポートいたします。何卒、ご安心ください。


以下では、日系企業(ゲーム業界・広告業界)、外資系企業、スタートアップ企業&テック企業の各業界別に特徴をご紹介いたします。

日系企業:日本語で業務が完結する場合が一般的です。

外資系企業:Ubisoft社Riot Games社Netflix合同会社など

  • 社内言語(報連相、会議、資料、社内連携)は英語ですが、チーム状況により日本語が使用できることもあります。

  • UI/UXデザイン関連のポジションでは、ローカルな日本の言語文化的ニュアンスをグローバルに発信できるグローカルな人材が求められています。

スタートアップ企業&テック企業:楽天グループ株式会社LINEヤフー株式会社スマートニュース株式会社など

  • 言語スキル要件は各企業により異なります

  • グローバルなチーム構成のスタートアップ企業がある一方で、業務関係者との協議を日本語で行える企業もあります。

  • UI/UXデザイン関連のポジションでは、国内ユーザーに扱いやすいデザイン様式やユーザーエクスペリエンスを分析してデザインに反映するローカライズ化スキルが重要です。

アートディレクターに英語が必要とされる場面とは

チームコミュニケーション

  • 多くの日系企業では、社内ミーティングやデザイン議論も日本語で行います。ただし、製品のグローバル化対応や海外クライアント対応時は、英語をはじめとした外国語が必要となるケースもあるでしょう。

  • 外資系企業の場合は、社内での連携協議やフィードバックなども英語で実施されます。また、社内資料も英語のため、日常会話から基本的な業務内容、専門スキルをカバーする包括的な英語でのコミュニケーションスキルと読解スキルが求められるでしょう。

  • スタートアップ企業&テック企業の場合は、各企業の社内文化や各ポジションの募集要件を企業研究としてリサーチするのがオススメです。

クライアントや経営陣とのコミュニケーション

  • 外資系企業の場合は、デザイン提案、クリエイティブデシジョンの内容や妥当性の共有説明、予算交渉などの協議を英語で行うことになります。

  • 日系企業やスタートアップ企業&テック企業の場合も、プロジェクトの海外展開に応じて英語対応を求められる機会があるかもしれません。

UI/UXデザイン上の留意点

  • アートディレクターとして、タイポグラフィ、色彩心理、文化的美意識を考慮したデザイン作成が求められる点は、全ての企業に共通しています。

  • 製品のグローバル化対応時には、ターゲット文化における文化的傾向を調査し、デザインに反映していくことが求められます。

  • 反対に、グローバルモデルを国内市場向けにローカライズする際は、モバイルファースト設計が一般的な欧米アプリとの差別化に意識を向けると良いでしょう。

日本語だけでもアートディレクター業務は可能ですか?

可能ですが、英語ができると日系企業以外へもキャリアを広げることができますよ。

  • 英語での業務対応ができると、外資系のゲームスタジオ、グローバル広告代理店、テック系のスタートアップ企業も視野に入れることができます。

  • また、3Dデザイン関連、UI/UXデザイン関連、ブランディングなどの高度な専門性分野では、英語での実務経験がない場合も採用となるケースもあります。ただし、面接段階から英語での円滑なコミュニケーション能力や報連相スキルはチェックされます。弊社では面接対策もしっかりサポートいたしますので、何卒ご安心ください。

英語対応へのステップアップを目指したい方へ:

  • まずは、英語対応が限定的な日系企業でアートディレクターに求められる専門スキルや業務経験を養いましょう。

  • 社内で英語対応に関わるプロジェクトがあれば、積極的に参加させてもらうのがオススメです。

  • また、プライベートで英語を使用できる環境や機会を確保することも大切です。業務も人と人とのコミュニケーションで成り立っています。コミュニティーごとの特色、優先順位、感じ方や伝え方の違いを肌感覚で触れてみましょう。その言語での人付き合いの感覚を掴むのが、業務コミュニケーションや協業を円滑化していくポイントになります。

アートディレクターに必要なツールと認定資格

  • デザイン & イラストレーションソフトウェア:

    • Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe InDesign、Adobe After Effects

    • Procreate(デジタルスケッチ向け)

    • Figma、Sketch 

  • 3D & アニメーション制作ソフトウェア:

    • Blender、Autodesk Maya、ZBrush(3Dモデリング ・ レンダリング向け)

    • Cinema 4D、Substance 3D Painter(高解像度テクスチャ ・ ライティング調整用)

  • 認定資格(必須ではありませんが業務に役立ちます!):

    • ※アドビ認定プロフェッショナル: PhotoshopまたはIllustratorの認定資格

    • Interaction Design Foundation(IxDF)主催のUI/UX関連プログラム

    • コンセプトアート/イラストレーション関連の認定資格(ゲーム業界 ・ アニメーション業界向け)

 

アートディレクターを取り巻く課題

  • 従来型ワークフローかモダン化ワークフローか

    • デザインプロセスのモダン化に踏み切れておらず、イノベーション改革に課題を抱える企業も点在しています。

    • アートディレクターには、従来手法を踏まえながら最新デジタルトレンドを検討吟味する能力が求められています。

  • 汎用性か専門性か

    • 中小企業では、アーティストとしての実務作業とマネージャー職を兼任する汎用性が求められるケースが多くあります。

    • 対して大企業では、アートディレクション・クリエイティブ戦略・チームリーダーシップなどの各分野の専門性に特化した棲み分けが可能です。

  • 言語文化的なハードル

    • 外資系企業の場合は、面接段階から英語でのコミュニケーションスキルが評価されています。また業務開始後も、グローバルなチームメンバー、経営陣、本社との業務連絡に英語の言語的・文化的な理解や運用が求められるでしょう。

    • 日系企業の場合でも、製品のグローバル対応や海外マーケットとの連携をはじめとして英語を使用する機会があるかもしれません。

 

アートディレクターのキャリアパス


アートディレクターの先へ

  • 一般的なキャリアパスの流れ:

リードデザイナーやシニアデザイナーからスタートし、アートディレクター、クリエイティブディレクター、デザイン担当バイスプレジデント(VP of Design)とキャリアアップを目指すことができます。

  • 各業界ごとのキャリアパスの一例:

    • ゲーム業界:  3Dアートディレクターゲームディレクターに挑戦

    • 広告業界・ブランディング業界: クリエイティブ戦略担当マーケティング部門への転向

    • テック業界 ・ UI/UXデザイン分野: UXデザイン責任者ビジュアルエクスペリエンスディレクターへの昇進

 

アートディレクターの給与目安

給与目安は、業界、企業規模、業務経験レベルにより様々に変化します。

下記はあくまで一例です。

  • ジュニアアートディレクター/リードデザイナー:年収 ¥5,000,000 ~ ¥7,500,000

    • シニアデザイナーまたはシニアアーティストからの昇進が通例です。

    • 小規模プロジェクトやサブチームのマネジメントをメインに担当するポジションです。

  • ミドルクラスアートディレクター:年収 ¥7,500,000 ~ ¥12,000,000

    • ゲーム・アプリ開発やマーケティングキャンペーンなどの特定プロジェクトを担当するクリエイティブチームの指揮が主な業務です。

    • プロダクトデザインと制約条件の兼ね合いを監督するポジションです。

  • シニアアートディレクター:年収 ¥12,000,000 ~ ¥16,000,000以上

    • 企業または企業の所有する知的財産のビジュアル戦略を包括的に監修するポジションです。

    • クリエイティブディレクター経営陣と連携して、ハイレベルな企業ブランディングを実現していくことになるでしょう。

  • エグゼクティブレベル(クリエイティブディレクター/デザイン担当バイスプレジデント(VP of Design)):年収 ¥16,000,000 ~ ¥25,000,000以上

    • ゲーム業界・広告業界・テック業界などの複数業界にまたがるクリエイティブチームを管理していくポジションです。

    • 長期的なクリエイティブビジョンイノベーション戦略の策定を担当します。

 

アートディレクターのキャリア成長のチャンス

  •  ゲーム業界&エンターテイメント業界の拡大成長

    • ゲーム業界・アニメ業界・デジタルコンテンツ業界では、アートディレクターの需要が高まっています。

    • その中でも急成長を続けているのがモバイルゲーム業界であり、UI/UXデザインやキャラクターデザインの高度な専門性を有する人材が求められています。

  • 新興テクノロジー参入企業の拡大

    • AR / VRツールやAI駆動デザインツールなどの台頭で、新たな可能性が日進月歩で広がっています。

    • ソニーグループ株式会社、株式会社バンダイナムコホールディングス、株式会社カプコンといった大手企業も次世代グラフィックツールへの参画投資を進めています。

  • 求人市場における流動性

    • 多くの外資系スタジオが日本へ進出している昨今、ローカル視点とグローバル視点の両方から物事を捉えられる人材がますます求められています。

    • これまでの経歴が国内での活動に限られる場合も、説得力のあるポートフォリオが作成・提出できればグローバルな活躍も期待できるでしょう。

 

アートディレクターに関するよくあるご質問|FAQ


1. アートディレクターの業務では、英語が必要ですか?

外資系企業(Ubisoft社やRiot Games社など)では、社内言語に英語が採用されています。検定資格やスコア指標よりも実用スキルを重視する傾向が顕著です。面接時から英語での会話や報連相が行われる人材かをチェックされるので、じっくりと対策していくのがオススメです。一方で日系企業では、日々の業務対応は日本語がメインになります。英語での業務に自信があれば、国外市場展開やマーケット連携などを通じてキャリアアップの可能性を広げることができるでしょう。 ただし、一定以上の職務経験と説得力のあるプロジェクトポートフォリオの作成・提出が必要になります。

2. どんな業界や企業で活躍ができますか?

以下がアートディレクター採用が活発な業界と主要な企業の一例です。

  • ゲーム業界:株式会社カプコン、株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス、株式会社Cygames

  • 広告業界&ブランディング業界:株式会社電通グループ、株式会社博報堂、Wieden+Kennedy Tokyo社

  • テック業界&UI/UXデザイン分野:楽天グループ株式会社、LINEヤフー株式会社、ソフトバンク株式会社

  • アニメ業界&エンターテイメント業界:東映アニメーション株式会社、株式会社バンダイナムコフィルムワークス、Netflix合同会社

3. どのようなスキルがあれば、選考で有利になりますか?

  • 次世代グラフィック対応の3Dツールの高い業務利用スキルBlenderAutodesk MayaUnreal Engineなど)

  • UI/UXデザインにおけるトレンド動向分析インタラクティブデザインプロジェクトへの実用

  • リーダーシップ発揮&チームマネジメント経験

  • マーケット分析スキルユーザーニーズを反映したデザインの設計技術

4. フリーランスやリモートワークでの就業機会はありますか?
多くの日系企業では、出社による業務連携を推奨する文化が根強くあります。そのため、フリーランスとしての業務受注やリモートワークの機会は、主流とは言えません。 しかし、外資系企業やスタートアップ企業では、リモートワーク雇用が拡大する傾向にあります。特に、特にシニア職ではリモートワークの傾向が顕著になりつつあります。

5. クリエイティブディレクターの業務とは、どんな違いがありますか?

同一視される場合もある役職ですが、主に以下の役割が異なります。

  • ゲーム業界&デジタルコンテンツ業界:
     アートディレクターのメイン業務は、ビジュアルアイデンティティにおける一貫性の保持です。一方で、クリエイティブディレクターは、ユーザーエクスペリエンス(UX)、ナラティブデザイン、エンゲージメント戦略の包括的な策定を主に担当します。

  • 広告業界:
     アートディレクターが個別コンテンツのビジュアルデザインを管理し、キャンペーン全体の管理はクリエイティブディレクターの担当になることが一般的です。

  • 中小企業やスタートアップ企業:
     アートディレクター業務とクリエイティブディレクター業務を兼任することが多い傾向にあります。ビジュアルデザイン設計とクリエイティブ戦略の両方を担当することになるでしょう。

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