ゲームデザイナーとは?仕事内容・必要スキル・キャリアパスを徹底解説

ゲームデザイナーとは?

日本のゲームデザイナーは、ゲームの核となる仕組みやユーザー体験、クリエイティブなビジョンの設計において非常に重要な役割を担っています。

ゲームプレイのシステム設計、バランス調整、プレイヤーを惹きつける体験の提供などが主な業務です。

日本は任天堂カプコンスクウェア・エニックスといった大手スタジオをはじめ、活気ある中小企業も存在する世界有数のゲーム大国です。

ゲームデザイナーは、エンジニアやアーティスト、プロデューサーと密接に連携しながら、ゲームのアイデアを実際の形にしていく仕事です。

企業やチームの規模によっては、レベルやワールドデザインや戦闘システムなどに特化するケースもあれば、幅広い領域を横断して担当することもあります。

 

ゲームデザイナーの主な業務内容

ゲームデザイナーの職務は大きく5つほどに分けれます。その5つはゲームデザイナーとして成功するために必要なスキルに関連してくるので、現職がゲームデザイナーの方、今後ゲームデザイナーを目指す方は要注意です!

大きくは以下の5つがゲームデザイナーの業務内容です。

  1. ゲームプレイメカニクスの設計

  2. レベルステージデザイン

  3. ストーリーナラティブ

  4. ユーザー体験

  5. チーム内での仕様を共有

1. ゲームプレイメカニクスの設計

ゲームデザイナーの中心的な業務は、ゲームの面白さを決定づける「ゲームプレイ」の仕組みを考えることです。

具体的には:

  • プレイヤーのアクション(ジャンプ、攻撃、移動など)に対する反応の設計

  • 成長・報酬システムの設計(例:レベルアップ、スキル解放、ガチャ)

  • 難易度曲線の調整(チュートリアル→中盤→ボス戦のテンポ設計)

  • PvE/PvP両方を想定したゲームバランス調整

  • システム同士の相互作用を考慮したルール設計

日本では、RPGやソーシャルゲームにおいて「パラメータ設計」「編成ロジック」「クエスト難易度調整」なども重要な業務です。

2. レベル・ステージデザイン

プレイヤーが実際に体験する「フィールド」や「ダンジョン」などを構成し、探索や戦闘のリズムを設計します。

具体的には:

  • レベルのマップ構造(一本道/探索型/マルチルート)の構成

  • 敵や障害物、アイテムの配置バランス

  • ギミックの設計(スイッチ、鍵、トラップなど)

  • 視覚誘導(カメラワークやライト配置)によるナビゲーション

  • ロード時間やプレイヤーの疲労感を考慮したテンポ調整

コンソールゲームでは専用のレベルエディターを使って実際に配置作業を行う場合も多く、アーティストとの密な連携も必要です。

3. ストーリー・ナラティブデザイン

物語性を重視するタイトルでは、キャラクターや世界観を魅力的に描く設計も求められます。特に日本のRPGやADVゲームではこの役割が重要です。

具体的には:

  • キャラクター設定や相関図の作成

  • ストーリー構成(起承転結、分岐、マルチエンディング)の設計

  • セリフやナレーションの草案作成、シナリオライターとの調整

  • イベント演出(カットシーン、演技指示、カメラワークなど)の設計

  • ローカライズを見据えたテキスト量・用語管理

物語とゲームプレイが乖離しないよう、世界観とルール設計を一貫性のある形で統合することが求められます。

4. ユーザー体験(UX)の設計と改善

ユーザーがゲームをどう体験するかを考え、遊びやすく、続けたくなる構造を作ります。

具体的には:

  • チュートリアルの導線設計と導入タイミング調整

  • UIの情報量と配置の調整(ステータス表示、メニュー構造など)

  • プレイヤー行動のログ解析(どこで離脱したか、どこで詰まったか)

  • プレイテストを実施し、改善点を発見・調整

  • 初心者とヘビーユーザー、両者を満足させる導線づくり

特にモバイルゲームでは初回起動から30分以内の体験設計が非常に重視され、A/Bテストやデータ分析が日常的に行われます。

5. チーム内での仕様共有・連携業務

ゲームデザイナーは「アイデアを形にする職種」であるため、エンジニアやアーティストとの連携が欠かせません。

具体的には:

  • 仕様書やワイヤーフレームの作成(誰が見ても実装可能なレベルで)

  • スクラムやデイリースクラムでの進捗共有・調整

  • エンジニアに対する実装の相談・仕様の擦り合わせ

  • アーティストとのイメージすり合わせ(モーション、演出タイミングなど)

  • QAチームとの連携(不具合調整、仕様の再定義など)

また、プロデューサーやディレクターからの指示を受け、方向性に沿って仕様を調整する役割も担います。

 

ゲームデザイナーとして使用するツールと取得推奨資格

使用ツール

  • ゲームエンジン:Unity、Unreal Engine、Godot

  • レベルデザイン:Hammer Editor、Tiled、社内エディター

  • プロトタイプ作成:Figma、Balsamiq、Adobe XD

推奨資格(必須ではないが有利)

  • Unity認定開発者

  • ゲームデザイン講座(Coursera、Udemyなど)

  • 日本語能力試験(JLPT)

 

ゲーム業界での課題

上下関係と意思決定の遅さ

  • 多くのスタジオでは階層構造が強く、若手が意見を出しづらい風土がある

  • イテレーション(改善の繰り返し)が遅くなりがち

残業文化

  • 特にゲームリリース前の「クランチ期間」は長時間労働になることも

  • 会社によってワークライフバランスは異なる。外資系の方が柔軟な傾向あり

 

ゲームデザイナーのキャリアパス

  • ジュニア・ゲームデザイナー:小規模な要素(UI、ストーリーなど)の設計補助

  • ゲームデザイナー:ゲームプレイ、システム、レベル設計を担当

  • シニア・ゲームデザイナー:チームの指導や複数システムの統括

  • リードデザイナー / ゲームディレクター:ゲーム全体のビジョンを主導

  • スタジオ創業者 / コンサルタント:独立やフリーランスとして活動

 

ゲームデザイナーの年収の目安

ジュニア・ゲームデザイナー ¥3,500,000~¥5,500,000

ミッドレベル・ゲームデザイナー ¥5,500,000~¥8,000,000

シニア・ゲームデザイナー ¥8,000,000~¥12,000,000

ディレクター / リードデザイナー ¥12,000,000〜¥18,000,000

※AAAスタジオは年収が高め、小さめのスタジオは株式や利益分配制度を導入している場合があります。

 

ゲームデザイナーとしての今後の可能性

国際市場の拡大

  • 日本のゲーム会社もグローバル展開を進めており、海外人材の採用が増加中

インディー開発の活性化

  • 少人数でも開発しやすくなり、実験的なゲーム制作が盛ん

  • UnityやUnreal Engineの普及で参入障壁が低下

VR・ARゲームの成長

  • 日本でもVR/AR、メタバース領域への投資が拡大

  • これらに精通したデザイナーは高需要

 

FAQ|ゲームデザイナーに関するよくある質問

Q1. ゲームデザイナーとして英語が必要な場合はあるでしょうか?

国内スタジオでは必要の場合は少ないですが、Ubisoft Tokyoのように英語で業務が可能な企業もありますので、英語が喋れると有利になる場合はあります。そして国内に止まらず、海外を拠点とする企業での勤務も可能になるため、可能性が広がります。

Q2. どんな会社がゲームデザイナーを採用していますか?

  • AAAスタジオ:スクエニ、バンダイナムコ、カプコン、任天堂

  • インディー系:東京を中心に拡大中(給与は低め)

  • モバイルゲーム会社:グリー、Cygames、LINE Gamesなど

  • VR/AR系スタートアップ:新しい体験に挑戦する企業が増加中

Q3. ゲームデザイナーにはどんなスキルが重要ですか?

  • UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジン

  • C#やBlueprintなどの基礎的なスクリプト

  • ゲームバランスやプレイヤー心理の理解

  • 日本語スキル(チーム連携に重要)

Q4. ゲームデザイナーになるには競争率は高いですか?

AAAスタジオは競争が激しいですが、モバイルやインディー領域は成長中。完成済みのゲーム作品があると大きなアドバンテージになります。

Q5. ポートフォリオには何を入れるべき?

  • プレイ可能なプロトタイプ

  • レベル設計図、ゲームループ、UXフローなどのドキュメント

  • 動画やスクリーンショットで魅力を伝える

Q6. 日本のゲーム業界に入るにはどうすればいい?

  • ゲームジャムや個人制作を通じて実績を作る

  • 東京ゲームショウなどのイベントでネットワーク構築

  • ゲーム業界に特化した転職エージェントを活用する

ゲームデザイナーとして働きたい方へ

ポジションに関する詳細は、お気軽にお問い合わせください!

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