プロダクトデザイナー転職ガイド|仕事内容・求人動向・年収相場を徹底解説
プロダクトデザイナーとは?
プロダクトデザイナー職とは、機能性や視覚的なデザイン性を考慮しながら、直感的に操作ができるデジタルコンテンツを形作っていくポジションです。
コンセプト立案やユーザーリサーチから、デザイン実行からプロセスの反復に至るまで、プロダクトのライフサイクル全体を見守ることになります。
UX/UIデザインとプロダクト戦略を組み合わせて、さらに製品の魅力を高めていく機会に恵まれるでしょう。
プロダクトデザイナーの業務内容
エンドツーエンドのプロダクト管理責任:
デザインプロセス全体にわたる責任が任されます。ユーザーフローやワイヤーフレームの作成から洗練された本番環境向けのインターフェースの構築までが担当です。ユーザーニーズとビジネス目標を踏まえながらデザインを設計し、シームレスなユーザー体験を実現していきます。
チーム間コラボレーション:
プロダクトデザイナーの業務では、他部署連携が欠かせません。日々の業務の中で、プロダクトマネージャーと優先事項を協議したり、フロントエンド開発者とデザインの実現可能性をコンスタントに確認するほか、バックエンドエンジニアとシステム全体への統合を目指した調整が必要になるでしょう。
ユーザーリサーチ&ユーザビリティテスト:
ユーザーインタビューやユーザビリティテストの実施も大事なプロダクトデザイナーの業務です。フィードバックからユーザー行動を分析し、デザインを反復設計することで、ユーザーの期待に応えるプロダクトを実現していきます。
デザインシステムの保守:
全社的なデザインシステムを採用している場合、デザインシステムの構築、保守、改善も業務に含まれることになります。プロジェクト全体の一貫性の担保や、チームの業務ワークフロー改善に貢献することが求められます。
プロダクトデザイナーに必要なスキル
テクニカルスキル:
Figma、Sketch、Adobe Creative Suite などのデザインツールの高い習熟度が求められます。Axure RPなどのプロトタイピングツールが利用できると、インタラクティブデザイン設計に役立ちます。また、フロントエンド開発者とのスムーズな連携のために、HTML/CSS の基礎知識が求められることも多いです。
UX/UIの専門知識:
ユーザーリサーチの手法、ワイヤーフレーミング作成、情報アーキテクチャの深い理解も大切です。プロダクトデザイナーには、各社のブランドアイデンティティや製品としての機能性向上を意識しながら、ユーザーの目に魅力的に映るインターフェースの作成が求められます。
課題解決に取り組むマインドセット:
ユーザーニーズとビジネス目標の両立には、クリティカルシンキングが不可欠です。特にB2B部門やB2C部門でデザイン設計に関する複雑な課題に取り組んだ経験があると、候補者を大きくリードできるでしょう。
コミュニケーションスキル&コラボレーションスキル:
高いコミュニケーション能力があれば、ステークホルダーとのデザイン方針性や意図の共通認識の形成に役立ちます。また、エンジニアリング、マーケティング、営業などの集まるクロスファンクショナルチームでの連携もスムーズになりますよ。
英語スキルは必要ですか?
各企業形態や募集ポジションにより異なります。詳しくは個別求人の募集要項をご確認ください。一般的には、日系企業では英語が求められず、外資系企業では、業務内外で英語が必要になる傾向にあります。また、デザイン業界はグローバル展開するケースも少なくないため、専門分野のキーワードを英語でメモしたり、国内外のデザイントレンド情報を日本語と英語でチェックするのがオススメです。
プロダクトデザイナーのキャリア形成
ジュニアプロダクトデザイナー:
プロダクトデザイナーとしてのキャリアのスタート地点です。
プロトタイピングやUIデザインなどのタスクを通じて、業務スキルを身につけていきましょう。
プロダクトデザイナー:
特定機能やプロダクト全体のデザイン設計における管理責任が付与されるようになります。
シニアプロダクトデザイナー:
キャリアを重ねるに従って、社内のデザイン全体のリード業務やジュニアデザイナーへの指導、社内デザインシステムの維持・改善が担当できるようになります。
デザインマネージャーまたはUXディレクター:
デザイン戦略の策定やデザイナーチームのリーダーシップを主に担当します。社内全体のデザインビジョン作成を担当することになるでしょう。
プロダクトデザイナーの給与水準
給与は、業務経験、企業の規模、業界などで変動が見込まれます。
一般的な目安は、以下の通りです。
ジュニアプロダクトデザイナー:年収400万〜600万円
プロダクトデザイナーとして駆け出しの段階では、この給与帯が一般的です。主にプロトタイピングやUIデザインなどの特定のタスクに特化して業務を習得していくことになります。
プロダクトデザイナー:年収600万〜850万円
エンドツーエンドでのプロダクトデザインを任されるようになると、この給与帯が見込まれます。経験年数の目安は、3〜5年になることが一般的です。
シニアプロダクトデザイナー:年収850万〜1,200万円以上
経験を豊富に重ね、デザイナーチームをまとめるリーダーシップ業務も担当できるようになると、この給与帯が見込めるようになります。特に大企業、B2C分野のEC業界、ゲーム業界など需要の高い業界では、このレベルの給与に手が届く場合が多い傾向にあります。
給与額面には、ボーナスが含まれている場合も多いので留意してください。シニアポジションをはじめとして、給与交渉が行われることも一般的です。これまでの経験や実績を企業側に伝える材料が用意できるとスムーズに進むでしょう。
プロダクトデザイナー業務の中での留意点
デザインの意義:日系企業では、「デザイン設計の意義」を伝える難しさを感じることがあるかもしれません。日本社会全体で、デザインの装飾性が強く意識されており、機能性が意識されていないためです。課題解決やユーザーエンゲージメント向上のための戦略ツールとしての活用をアピール・伝達する腕が求められるかもしれません。
ジェネラリストかスペシャリストか:日系企業や中小企業は、専門性より汎用性が求められるでしょう。UXリサーチやUIデザインの他に、グラフィックデザイン業務が割り振られることもあります。新しい部門の経験知識も積んでいきたい方には、いいキャリアアップのきっかけになるでしょう。
言語スキル:日系企業を中心に日本語のみで業務が行えるポジションもあります。ただ、英語を使ってより多くのステークホルダーやユーザーの声にアクセスできると、プロダクト向上や最新トレンドを意識した差別化にも貢献が見込まれます。
さらなる高みを目指すには
多角的なポートフォリオ構築:
ポートフォリオでは、デザインプロセス全体にわたる業務スキルを網羅する必要があります。デザインリサーチから最終的な実装段階に至るプロセス全体の中で、デザインで課題解決ができるという機能性と業績に繋がる実用性に力を入れて伝えるようにしてください。
英語スキル:
外資系企業に応募するのでなければ、必須ではありません。しかし、英語スキルがあれば、より多くの業務関係者やユーザーの声に繋がることができるため、プロダクトの改善・差別化やキャリア成長の機会が得られるかもしれませんよ。
業界の最新動向:
スキルを高め続けることが重要です。グローバルなデザイントレンドを定期的にチェックしておきましょう。また、Figmaの最新機能やプロトタイピングソフトの追加実装など、新しいツール習得もオススメです。
リクルーターの活用:
テック業界に特化した専門リクルーターから情報を得るのがオススメです。転職市場の最新動向をおさえながら、今のスキル感やキャリア目標に合った求人を効果的に探すことができますよ。
プロダクトデザイナーの将来性
需要が高まっている業界:
EC業界、ゲーム業界、B2BのSaaS分野などでは、経験豊富なプロダクトデザイナーを積極的に採用されています。スキルがあれば、さらにキャリアを成長させるチャンスが溢れている状態です。
クロスインダストリーな活躍:
スタートアップ企業から外資系の多国籍企業まで、さまざまな分野で活躍できる機会があります。スキルがあれば、複数の業界を跨いだ活躍も期待できます。
さらなる成長の可能性:
デザイン業界は常に進化をしています。最新ツールやフレームワークの専門知識やスキルがあれれば、専門分野の最先端を走ることことができるでしょう。
プロダクトデザイナーに関するよくあるご質問|FAQ
1. どんな業務がありますか?
ユーザーリサーチといったデザインプロセスの初期段階から本番環境向けの洗練されたデザイン設計まで、プロダクトデザインのライフサイクル全体が担当です。プロダクトマネージャー、フロントエンド開発者、バックエンドエンジニアと頻繁な連携をとりながら、機能性や視覚的なデザイン性に優れた直感的に操作ができるデジタルコンテンツを形作っていくことになります。
2. どんなスキルが特に重要ですか?
FigmaやAdobe Creative SuiteなどのUX/UIツールの高い習熟度に加え、課題解決に取り組むマインドセットが要求されます。HTML/CSSの基礎知識があると、フロントエンド開発者との連携がスムーズになります。また、クロスファンクショナルチームとの作業を中心として、コミュニケーション能力が極めて重要になります。
3. 英語のスキルは問われますか?
日系企業を中心に英語が求められないポジションもあります。ですが、英語ができるとチャンスが大きく広がります。国外のステークホルダーとの連携や、グローバル向けプロダクトの開発経験を積むことができます。また、世界的な業界のトレンド傾向をいち早く収集することができるため、他社製品との差別化も期待できます。
4. 年収の目安はありますか?
経験により異なりますが、以下が一般的な目安です。
ジュニアレベル:年収400万~600万円
ミドルレベル:年収600万~850万円
シニアレベル:年収850万~1200万円以上
年収には、企業業績に連動したボーナスも一般的に含まれる点に留意してください。
5. どのツールに力を入れればいいですか?
Figma、Sketch、Adobe Creative Suiteなどのデザインツールの習得が求められます。Framer、Axure RPなどのプロトタイピングツールの業務利用経験もあると強みになります。これらのデザインシステムやZeplinなどのコラボレーションツールの使用に慣れておくのがオススメです。
6. どの業界が積極的にプロダクトデザイナーを募集していますか?
EC業界、ゲーム業界、B2B SaaS部門、フィンテック業界などの業界での需要が特に高いです。各業界ごとに求められるスキルや業務への期待値が異なるため、ポートフォリオを応募先業界のデジタルコンテンツに合わせて調整すると効果的に業務の力量を伝えることができます。
7. どうすれば未経験からでもキャリアスタートできますか?
まずは、説得力のあるポートフォリオが必要です。各デザインプロセスでの作業工程と課題を解決スキルがあると見せるようにするのがポイントです。Figmaなどのツール操作を習得し、ユーザー中心設計に関する認定を取得できれば企業側からの信頼を高ることに繋がります。必要に応じて、Le WagonやCode Chrysalisなどのブートキャンプに参加すると専門的な技術スキルも学ぶことができますよ。
8. どんな課題に直面することが多いですか?
プロダクトデザイナーの業務では、以下のような課題に接することがあります。
「デザイン設計は見た目をよくするだけのもの」だという誤解
中小企業ではプロダクトデザイン職以外の業務を兼業する汎用性が求められる
国や地域、対象ユーザー層ごとの美的・機能的センスの違い
9. キャリアアップの機会はありますか?
あります!以下のようなキャリア形成を辿る方が多いです。
ジュニアプロダクトデザイナー:エントリーレベルとして、特定のタスクの習得に注力する。
プロダクトデザイナー:個別機能や各プロダクトのデザイン全体の管理責任を任されるようになる。
シニアプロダクトデザイナー:デザインリードやメンターの役割を担う。
デザインマネージャーまたはUXディレクター:チーム管理や戦略策定を担当する。
10. コーディングスキルも必要ですか?
本格的な開発者になるスキルは必要ありません。ですが、基本的なHTML/CSSの知識があると、フロントエンド開発の仕組みが理解できるほか、エンジニアとの協業や実現可能性を意識したデザイン作成に役立ちます。
11. キャリアを成功させる秘訣はありますか?
多角的なポートフォリオを作成し、詳細なケーススタディの共有を心がける。
英語を学び、より多くの業界視野を確保する。
グローバルトレンドや最新ツール動向にアンテナを張り続ける。
業界専門のリクルーターとのネットワーキング(人脈作り)や、デザインミートアップ、テックイベントへ積極的に参加する。
応募の準備はできましたか?