プリセールスエンジニアに向いている人とは?企業が求める5つのスキルを紹介
前回は、プリセールスエンジニア職の年収事情をお届けいたしました。
本記事の作成にあたって、弊社の専門リクルーター Duc Vi氏にプリセールスエンジニアになりたい方、プリセールスエンジニアとして成長したい方に必須なスキルを5つ紹介してもらいました。
では、早速本題に入ります。
1. 顧客に合わせたコミュニケーションスキルやストーリーテリング能力
顧客に合わせたコミュニケーションスキルやストーリーテリング能力
プリセールスエンジニア職は、技術的専門用語と事業目標の間を取り持つ通訳のような立ち回りをすることがあります。
ただ単に事実を共有するだけでなく、顧客のニーズや心に届くストーリーテリングの手腕が試されます。
業務場面の一例:
クラウドソリューションの導入を検討中の大企業との面談シーンを想像してみてください。先方からは、CTOと非技術職の重役が参加しています。CTOが導入に伴うベネフィットに理解を示す一方、非技術系の重役はROI(投資利益率)や予算削減を考慮して導入には否定的です。このような場面では、プロダクトの性能を技術的に論じるより、将来的な効果を相手がイメージしやすい形で伝えるのが効果的です。「社内インフラコストを40%削減するだけでなく、プロダクト開発を高速化してタイムラインを半年早めることが可能です」と言えば、非技術職の相手にもプロダクトのベネフィットが伝わります。こうしたストーリーテリングの手法を使えば、先方のニーズに答えながら、技術面での懸念事項を払拭することができます。相手に合わせた伝え方をすることで、技術職・非技術職の両サイドから理解や商談を得ることにつながります。
2. 高い技術的専門性とエンジニアとしての知見の豊富さ
高い技術的専門性とエンジニアとしての知見の豊富さ
プリセールスエンジニア職では、技術職としてのノウハウも重要です。エンジニアチームと密に協議しながら、先方の既存社内インフラに合わせて自社のソリューションをどうカスタマイズするかを決定していく段階が待っています。
技術的な部分にも詳細に踏み込んでいける専門性は必須項目だと言えます。
業務場面の一例:
製品デモの段階で、先方のエンジニアチームと協議しているシーンを思い描いてください。先方の既存ソフトウェアスタックと自社のソリューションをどう統合していくかが争点です。先方インフラは複数のレガシーシステムが複雑に入り組んでいる状態です。
聞こえを良くしようと、詳細を省くのはオススメできません。自社製品で採用しているAPIの仕様や通信プロトコルをしっかりと伝えた上で、統合時に起こりうる障害についても話し合うことが求められます。
このように、技術的な専門性があれば、先方のエンジニアチームへ既存インフラに支障が出ないという安心感を与えることができます。商談が成立する見込みもグッと高まりますよ。
3. 製品理解と製品価値のアピール
製品理解と製品価値のアピール
プリセールスエンジニア職では、競合他社のソリューションと差別化を測ることが求められます。
自社製品を隈なく知り尽くしておけば、他社製品にはない自社製品のよさや価値を目の前の顧客に合わせて伝えることができます。
業務場面の一例:
複数の競合他社と合同で顧客へのデモを行っているシーンを想像してください。各社の製品に主だった特色の違いはありません。
カスタマーエクスペリエンスチームの支援のためにリアルタイムデータ処理機能が必要だとの提案が先方からありました。
ここからが、プリセールスエンジニアの出番です。自社製品のリアルタイム分析機能を使えば、処理時間が数時間から数秒にまで削減されるのだと力説しましょう。実装時の実例があれば、併せて紹介できるとより効果的です。
競合他社の製品にはない強みを押すことができれば、先方サイドからあなたの企業の製品価値に気付いてもらうことができますよ。
4. 顧客に合わせたコミュニケーションスキルやストーリーテリング能力
柔軟な対応力と問題解決能力
顧客がわざわざ簡単に解決できる問題を相談に来ることは、まずありません。
むしろ、問題対応が困難を極めた中で、クリエイティブなソリューションを求めて相談に訪れることが一般的です。柔軟な対応力と問題解決能力が成功の鍵を握っています。
業務場面の一例:
顧客と問題解決に向けて協議を行っているシーンを考えてみましょう。先方では、グローバル市場でのサービスモニタリングを計画しています。しかし、予算が厳しい状態です。
最初に想定したソリューションも予算オーバーだと言われてしまいました。
しかし、せっかく相談に来られたのですから、ここでお断りするのはもったいありません。先方の現状をヒアリング分析した上で、モニタリングの段階的な実施計画を提案してみましょう。主力サービスからモニタリングをスタートし、予算が追いついてくるのを待ってから全サービスでのモニタリング実施に移行する形です。
こうした柔軟な対応ができれば、先方の問題解決をサポートできるだけではありません。ソリューションをカスタマイズする対応スキルの高さが証明され、2社間の信頼関係を構築する着実な一歩が得られるでしょう。
5. 営業スキル(相談・折衝など)
営業スキル(相談・折衝など)
ここまでにご紹介したスキルも重要ですが、なんといってもプリセールスエンジニア職には営業に関わるポジションでもあります。
技術的な専門性と同様に、顧客との相談スキルや2社双方に利益をもたらす営業職顔負けの交渉手腕も要求されます。
業務場面の一例:
商談締結に向けた最終調整シーンを考えてみましょう。先方は、提示金額を目にして迷いが生じているようです。
先方からは価格交渉が入りましたが、今後の自社製品の売れ行きへの影響を考えると応じるのが厳しい状況です。そこで、商談が流れてしまわないように妥協案を提示することにしました。製品バンドルの打診です。このプランであれば、追加研修やサポートが必要になった際も追加予算の発生を防ぐことができます。
こうした打診をすることで、製品価格を下げることなく顧客に価値を届けることが可能になります。先方サイドは予算の範囲内でより多くのサービスが利用でき、自社サイドでも製品の価格価値を維持することができます。両社にとって有益な商談だと言えるでしょう。
以上が、企業や現場が求めるプリセールスエンジニア職のスキル5選です。
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