営業職の転職|スキルアップを伝える履歴書・職務経歴書の書き方

営業職の転職で必ず直面する「履歴書の数字」問題

営業職として転職活動を始めると、多くの方がまず悩むのが「履歴書・職務経歴書の書き方」です。特に営業職は成果が数字で可視化される職種のため、「直近の売上が未達だった場合は正直に書くべきか?」「スキルアップをアピールするにはどう表現すれば良いのか?」といった不安を抱える方も少なくありません。

実際に、営業経験が豊富であっても履歴書にうまく成果を書ききれず、面接に進めないケースは珍しくないです。逆に、数字や成果を効果的に整理して伝えられれば、それだけで採用担当者の目に留まりやすくなり、キャリアアップの可能性を広げることができます。

本記事では、営業職の転職を考えている方に向けて、売上未達の場合の書き方の工夫や、スキルアップを伝えるための履歴書・職務経歴書の具体的な書き方をわかりやすく解説します。

未達というリアルな状況にどう向き合い、それをキャリアの強みに変えていけるかに焦点を当てています。

営業職の転職で結果を出したい方、よりインパクトのある職務経歴書を作りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 
 
 

営業の転職で「数字」が重視される理由

営業職の転職において、履歴書や職務経歴書に「どのような成果を書き込むか」は、採用担当者が最も注目するポイントの一つです。なぜなら営業という職種は、他の職種に比べて成果が明確に「数字」で表れるからです。

1.「営業経験あり」だけでは伝わらない

たとえば履歴書に「法人営業を担当」「新規開拓を担当」とだけ書かれていても、それは業務内容の説明にとどまり、成果やスキルアップの証明にはなりません。採用側が知りたいのは、「その経験を通じてどれだけの成果を残し、どのように再現できるのか」という点です。

そのため「年間売上〇〇円」「新規顧客獲得数△件」「契約更新率◇%」といった、具体的な数値を交えて書くことが、履歴書の信頼性を高める決め手になります。

2. 数字は「再現性のある力」の証明になる

営業職の採用担当者は、候補者が入社後に成果を上げられるかどうかを判断します。その際、数字をもとにした実績は、最も説得力のある材料です。

たとえば以下のような書き方をすると、「成果を再現できる人材」として評価されやすくなります。

「前年比120%の売上を達成」

「年間30社の新規顧客を獲得」

「既存顧客の契約更新率を95%まで改善」

単なる「売上を伸ばした」という表現よりも、数値を示すことで、転職市場における強みを企業に伝えることができます。

3. 数字は「スキルアップの成果」を伝えるツール

また、数字は単なる成果の大小だけでなく、成長の証拠としても活用できます。

たとえば、直近の売上が未達であっても、以下のような観点でスキルアップを伝えることが可能です。

  • 前年度比でアポイント獲得数が増えている

  • 提案の質を改善し、受注率が上がっている

  • 顧客単価を引き上げる取り組みを行った

こうした数値は「課題を分析し改善につなげられる人材」という印象を与え、たとえ未達の実績があったとしても、転職活動においてプラスに働きます。

4. 採用担当者は「数字の背景」にも注目している

さらに重要なのは、数字そのものだけでなく、その裏にある背景や取り組みです。たとえば「前年比120%達成」という結果だけではなく、

  • どのような工夫や戦略でその数字を実現したのか

  • チームや顧客にどのような影響を与えたのか

  • その経験をどう活かしてスキルアップしたのか

といった情報をセットで伝えることで、履歴書の印象は格段に強まります。

 

売上未達だった場合の履歴書・職務経歴書の書き方

営業職の転職でよくある悩みのひとつが「売上未達だった場合にどう書くべきか?」という点です。履歴書や職務経歴書は、自分のキャリアをアピールする重要な場ですが、すべての年度で目標達成している人ばかりではありません。むしろ、多くの営業職が市場環境や商品特性の影響を受け、達成できない年を経験しています。

では、そのような状況でも「評価される職務経歴書」にするためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。ここでは代表的な3つのケースをご紹介します。

1. 正直に記載し、他のKPIで補う

まず一つ目の方法は、売上未達の事実を隠さず記載しつつ、他のKPI(成果指標)を強調することです。

例えば、直近の売上が目標の90%にとどまったとしても、以下のような書き方が可能です。

新規顧客開拓数:前年の2倍に増加

商談件数:前年比130%

顧客単価:平均単価を10%向上

このように書けば、未達という結果のみに目がいかず、「営業スキルや取り組みによって成長している」という印象を与えることができます。

👉 ポイント:「数字を隠さずに、複数の観点から成果を示す」こと。売上未達でも改善のプロセスや成長を表せば、履歴書に説得力が生まれます。

2. 過去の達成実績を強調する

二つ目の方法は、売上を達成した年度の実績を中心にアピールすることです。

職務経歴書は「直近1年の実績」だけを書く必要はありません。むしろ、複数年の実績を並べることで、安定的に成果を出してきたことや、環境次第では高い成果を上げられることを伝えることができます。

例:

2022年度:売上達成率120%(新規開拓15社)

2023年度:売上達成率95%(市場縮小の影響あり)

このように書けば、未達の年があっても「達成できる力がある」ことを伝えられます。また、過去の成功事例は「再現性のある実績」として評価されやすいのです。

3. 未達の背景を補足する

三つ目の方法は、未達の背景や要因を一言添えることです。

営業成績は、担当エリアや商品ラインナップ、市場の動向など、自分だけではコントロールできない要素にも左右されます。そうした事情を補足することで、「単なる未達」ではなく、「環境要因による結果」であることを理解してもらえます。

例:

「担当エリアが縮小され、前年の50%の市場規模で営業活動を担当」

「新商品が発売延期となり、売上計画に影響」

ただし、ここで重要なのは「言い訳にならない書き方」をすること。背景を説明した上で、自分が取り組んだ改善や工夫を併せて書くことで、前向きな印象を与えることができます。

4. 未達でも「成長」を伝えることが大切

売上未達という事実自体はマイナス要素になり得ますが、書き方を工夫すれば「挑戦」「改善」「スキルアップ」の証拠に変えることができます。

未達でも「前年より商談数は増加」

「アプローチ方法を改善し、受注率を10%上昇」

「顧客満足度調査で高評価を獲得」

このように書けば、採用担当者は「この人は未達の状況でも改善に取り組む人材だ」と捉えます。結果だけでなく、努力や工夫のプロセスを伝えることが、営業職の履歴書では特に大切です。

 
 
 

インパクトある営業職の履歴書にするための工夫

売上達成率や年間売上といった数値は、営業職における最重要の指標であることは間違いありません。しかし、採用担当者が求めているのは「数字だけでは見えない実力」でもあります。インパクトのある履歴書に仕上げるためには、売上以外のKPIや、成果に至るまでの工夫・スキルアップの過程を織り交ぜて記載することが効果的です。

ここでは、営業職の履歴書を一歩差別化するための具体的な工夫を紹介します。

1. 複数のKPIを「数字」で表す

履歴書では「売上金額」以外にも評価できる指標があります。以下のような項目を数字で表すことで、成果を多角的に伝えることができます。

新規顧客獲得数:「年間30社の新規契約を獲得」

アポイント獲得率:「架電件数の20%が商談に進展」

契約更新率・継続率:「既存顧客の継続率95%」

クロスセル・アップセル率:「既存顧客の契約単価を平均15%増加」

顧客満足度:「NPS(顧客推奨度)スコア+20ポイント改善」

これらは売上未達の際にも強いアピール材料となり、採用担当に「成果を細かく管理できる人材」という印象を与えます。

2.「数字+工夫」をセットで書く

単に数字を並べるだけでは、「環境が良かったから成果が出ただけかもしれない」と受け止められることもあります。そこで重要なのが、「数字+取り組み内容(工夫)」をセットにして書くことです。

例:

「新規開拓30件(前年比150%)。トークスクリプトを改善し、アポイント獲得率を大幅に向上」

「契約更新率95%を維持。定期フォロー体制を整え、顧客満足度を高めることで継続率を改善」

このように、成果が「自分の行動によって生まれたもの」であると伝えることで、説得力と再現性が高まります。

3. 相対評価を活用する

営業職では、会社や業界によって目標値の基準が大きく異なるため、絶対的な数字だけでは比較しづらいことがあります。そんなときには相対評価を活用するのが効果的です。

例:

「営業チーム20名中、売上トップ3」

「新規契約獲得数で社内MVPを受賞」

「部内平均比120%の成果を継続」

このように「チームや全社の中でどの位置にいたか」を示すことで、自分の実力を客観的に示すことができます。

4. 成果以外の強みも数値化する

営業職は成果だけではなく、チームワークやプロセス改善のスキルも評価対象となります。こうした要素も、できるだけ数字を交えてアピールすることをおすすめします。

例:

「後輩2名を育成し、半年で売上達成に導いた」

「CRM導入プロジェクトを推進し、入力率を80%→98%に改善」

「社内営業研修を企画し、参加者の平均成績を15%向上」

こうした記載は、営業としてのスキルアップやリーダーシップをアピールするうえで効果的です。

5. 数字を「ストーリー」に変える

最終的に採用担当者が知りたいのは「この人を採用したら、どんな価値を会社にもたらしてくれるか」です。そのためには、数字をただ列挙するのではなく、成果に至るストーリーを簡潔に盛り込むと印象に残ります。

「新規営業の壁を感じたため、業界研究と提案資料の改善を実施 → 新規契約数が前年比150%に増加」

「価格競争が激化する中、顧客関係構築を重視 → 契約更新率95%を維持」


ストーリー仕立てにすることで、「課題発見 → 改善行動 → 成果」というスキルアップの流れを伝えることができ、採用担当者に強い印象を残せます。

 

履歴書でスキルアップを伝えるコツ

営業職の転職活動では、売上や契約数などの「数字による成果」だけでなく、どのようにスキルアップしてきたかを伝えることも非常に重要です。採用担当者は、過去の実績と同じくらい「成長する力」を重視しています。ここでは、履歴書や職務経歴書でスキルアップを効果的に示すためのコツを紹介します。

1.「成長のプロセス」を言語化する

ただ「営業スキルを磨きました」と書くだけでは伝わりません。課題 → 行動 → 成果の流れを整理して書くことで、成長の過程を具体的に示すことができます。

例:

「新規開拓が伸び悩んだため、顧客分析方法を改善 → アポ率が前年比20%向上」

「受注率低下の課題を解決するため、提案資料を刷新 → 受注率を15%改善」

このように書くと、採用担当者は「課題に向き合い、自分で工夫し、スキルアップした人材」として評価してくれます。

2. 営業スキルを細分化してアピールする

営業スキルは多岐にわたるため、抽象的に「営業力があります」と伝えるよりも、スキルを要素ごとに分解してアピールした方が効果的です。

具体例:

提案力:顧客の課題に合わせたカスタマイズ提案を行い、受注率を改善

交渉力:値引き要求の強い顧客に対し、条件交渉により利益率を維持

関係構築力:定期フォローを徹底し、既存顧客の継続率95%を達成

分析力:過去データを活用し、営業活動の優先度を最適化

このようにスキルを分けて書けば、面接時の会話のきっかけにもなり、より深く評価してもらえる可能性が高まります。

3. 数字を「スキルアップの証拠」として活用する

スキルアップを伝える際にも、数字を絡めることで説得力が増します。

例:

「プレゼン資料を改善 → 平均商談時間を20%短縮」

「営業プロセスを見直し → 新人営業の立ち上がり期間を半分に短縮」

「顧客ヒアリング力を強化 → 顧客満足度アンケートで平均4.8/5を獲得」

「どのように成長したか」を示すだけでなく、「その成長がどのように成果に直結したか」を数字で裏付けると、採用担当者に刺さりやすくなります。

4. チームや組織への貢献もアピールする

営業職は個人の成果が注目されがちですが、組織に貢献した経験も高く評価されます。リーダーシップやマネジメントスキルの要素を取り入れると、将来の管理職候補としての印象も強まります。

例:

「新人2名を指導し、半年で独り立ちさせた」

「営業チーム内での成功事例を共有し、チーム全体のアポイント獲得率を改善」

「CRM活用を推進し、チームの営業効率を20%改善」

個人のスキルアップだけでなく、周囲を巻き込んで成果を出せる力を伝えることも、履歴書の大きなアピールポイントです。

5. 自己分析と将来の目標を絡める

最後に、履歴書や職務経歴書では「過去のスキルアップ」だけでなく、「今後どのように成長したいか」を一言添えると効果的です。

例:

「顧客課題解決型の営業経験を活かし、将来的には営業企画やマネジメントに挑戦したい」

「データ分析力をさらに磨き、戦略的な営業活動に貢献したい」

これにより、採用担当者は「長期的に成長していく人材」と感じ、評価を高めやすくなります。

 
 
 

NG例・よくある失敗

営業職の履歴書や職務経歴書は、「書き方次第でプラスにもマイナスにも転ぶ」ものです。数字やスキルアップを強調しても、伝え方を間違えると評価を下げてしまう可能性もあります。ここでは、よくある失敗例とその改善ポイントを整理します。

1. 数字を一切書かない

営業経験が豊富でも、「法人営業を担当」「新規顧客の開拓」など、業務内容だけを羅列してしまうケースがあります。

NG例:「新規開拓を担当し、提案営業を行っていました」

改善例:「新規開拓を担当し、年間30社の新規契約を獲得。アポイント率は前年の150%に改善」

👉 改善のポイント:具体的な数字を入れることで「どのくらい成果を出したのか」が伝わり、即戦力としてのイメージを持ってもらえます。

2. 未達を隠すために数字を避ける

「未達だったから書かない」という選択は逆効果です。数字に触れないと「実績がないのでは?」と疑われてしまいます。

NG例:「営業活動を通じて顧客満足度の向上に貢献しました」

改善例:「売上目標達成率は95%。未達ながら新規開拓件数は前年比200%と成長し、顧客満足度調査でも高評価を獲得」

👉 改善のポイント:未達を隠すのではなく、他の数字や成長ポイントを補足することで前向きな印象に変えられます。

3. 誇張や不正確な数字を書く

採用担当者は、営業の数字に敏感です。「盛っている」と感じられる内容は信頼を失う原因になります。

NG例:「売上を倍増させました」

改善例:「前年比120%の売上を達成。新規契約数を15件増加」

👉 改善のポイント:信頼性を重視し、客観的に証明できる数字を書くこと。面接で根拠を問われても説明できるように準備しておきましょう。

4. 抽象的なスキル表現のみ

「営業力があります」「コミュニケーション能力に自信があります」といった抽象的な表現だけでは説得力に欠けます。

NG例:「コミュニケーション力を活かして営業を行いました」

改善例:「顧客との関係構築を重視し、既存顧客の継続率を95%に維持」

👉 改善のポイント:抽象的なスキルは、必ず数字や成果とセットにして具体的に表現すること。

5. 自分の強みと応募先企業のニーズがズレている

せっかく成果をアピールしても、応募する企業が求めるスキルやスタイルと一致していなければ評価は上がりません。

👉 改善のポイント:求人票や企業の採用ページを確認し、強調すべき実績を取捨選択すること。たとえば「新規開拓重視の企業」なら新規獲得数を、「既存顧客の深耕重視の企業」なら契約更新率や顧客満足度を強調すると効果的です。


NG例を避けるだけでなく、「数字+工夫」を意識すれば、履歴書や職務経歴書の説得力は大きく変わります。特に営業職は成果が明確に見える分、伝え方ひとつで印象が変わる職種です。

 

最後に

営業職の転職において、履歴書や職務経歴書は単なる経歴の羅列ではなく、自分の成果とスキルアップを伝えるための最重要ツールです。

営業職は成果が数字で見えるからこそ、「売上」「新規契約数」「契約更新率」などを具体的に書くことが重要であり、売上未達であっても、他のKPIや成長のプロセスを補足することでプラスに変えられます。

数字は単なる成果の証拠ではなく、「課題を解決し、スキルアップしてきた証明」にもなリエます。

インパクトを出すには「数字+工夫」のセット、相対評価、組織貢献などを交えて書くことが効果的。

営業職の転職市場は競争が激しいからこそ、「成果を数字で語れる人材」は採用担当者に強い印象を残せます。未達や課題があったとしても、それを正直に書き、改善のプロセスをアピールすれば、むしろポジティブに評価されるケースも少なくありません。

営業職の履歴書・職務経歴書の書き方を工夫することは、そのままキャリアのスキルアップと転職成功につながるのです。

👉 Build+では、様々な業界の営業職の求人を扱っています。

「数字の書き方に悩んでいる」「自分の強みをどう表現すればいいかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

 
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